若竹塾10期生 第4講 【温故知新】

2000年の歴史を有し、日本人の“心のふるさと”と称され古くから親しみ拠り所とされた伊勢神宮。

20年に1度行われる式年遷宮は120年に及ぶ中断や幾度かの延期はあったものの平成25年の第62回式年遷宮まで、およそ1300年間絶えず行われてきた。

伊勢神宮では毎日感謝を捧げ「国安かれ、民安かれ」の願いと共に五穀の豊穣、日本の安寧を願い、祈りを捧げている。

神聖なる伊勢の地で学んだ事は無条件の愛と感謝の心だった。

今私たちが生きているという事は両親が居て、祖父母、曽祖父母と数えきれないほどの先祖が居て今がある。皆一人で存在することなど出来ないという当たり前でありながら、奇跡の連続であるという事を初めて考えさせられた。日頃忘れてしまいがちな小さな恩恵を意識し、この便利すぎる世の中で見えなくなっていた“有り難い”と思う心を養う事が出来た。

そして古事記・日本書紀に描かれた神話の世界に由来する“禊”を行い、自身の身を以って日本文化を肌で感じることとなった。美容業界に通ずる七五三や成人式の由来もすべては神話に行きつく。美容師として、また日本人として奥行きのある教養を身に付ける最高の講義であった。